イタリア・ドロミテ

ドロミテはイタリア北東部、オーストリア国境にほど近い3000m級の山塊が連なる山岳地帯である。
隆起したドロマイトと呼ばれるマグネシウムを含んだ石灰岩の台地が風雪で侵食され、奇妙な、しかし美しい山容を形造っている。


  西のボルツアーノには鉄道が通じており、東のコルチナ・ダンペッツォにはベネチアから高速バスが出ている。しかし、東西を繋ぐ直通バスはなく、2度も乗り換えなければならない。おまけに便数が限られ、1日がかりの旅を強いられる。ハイキングの基点まで行くにも不便で、いきおい車を使うことになる。しかし、道は曲がりくねった山岳道路で、センターラインもないほど道幅の狭いところも多い。そこをイタリア人は高速で駆け抜ける。日本なら30km/hの速度制限がありそうなところに60kmの標識があった。
  2013年8月ボルツアーノに鉄道で入り、サン・ピエトロに3泊、プランに4泊、コルチナ・ダンペッツォに7泊して地図に赤字で示した山々を歩いた。もっとも大抵の山にはケーブルカーやロープウエイが架かり、山登りというよりは山下りであるが。8月いっぱいはどこも大変な混雑であったが、9月に入るとさっと人が引き、快適な旅になった。
  この地域の日本語によるハイキングガイド本は皆無である。幾つかのWEB記事も参考にさせていただいたが、唯一手に入った英語本、Shorter Walks in The Dolomites by Gillian Price, Cicerone.UK は大いに役立った。
 
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00 オルティゼイからケーブルカーでラシエッサに上がり、セチューダ高原に向かって歩く。ガイスラー山群が間近に見える。 01 セチューダ高原からパラグライダーが飛び立つ。 02 シウジ高原にはロープウエイで上がる。対岸にはセチューダ高原を挟んでガイスラー山群が聳える。
03 シウジ高原から奇怪な山容のサッソ・ルンゴを遥かに望む。 04 セラ峠から見るサッソ・ルンゴ。 05 2人収容の立ち乗りゴンドラで鞍部まで上がる。2人目は走って飛び乗らねばならない。
06 ポルドイ峠から登るフィール・デル・パン。谷を挟んだ向かいは、ドロミテ山塊一の高さを誇るマルモラーダ。 07 草地の斜面をトラバースして道は延々と続く。 08 ポルドイ峠はセラ山群の南西端に位置する。ロープウエイで上がったところがサス・ポルドイ。
09 サス・ポルドイから続くセラ山群南面。 10 ロープウエイでサス・ポルドイに上がるとこんな光景。中央がセラ山群の主峰ピッツ・ボエ。 11 サッソ・ルンゴも間近に見える。
12 マルモラーダの氷河もはっきり見える。 13 コルチナ・ダンペッツォの東方に聳えるクリスタッロ。 14 ここにも立ち乗りゴンドラが架かっている。
15 トレチーメに向かう道の途中にあるミズリーナ湖。 16 トレチーメをハイキングする人、人、人・・・・・。 17 トレチーメはイタリア語で三つの峰の意。ここからの形が一番美しいが、残念ながら逆光だった。
18 トレチーメの北側。アウロンツォ小屋が見える。 19 チンクェ・トッリは五つの塔の意。 20 奇妙な形の岩が天空に向かって伸びている。ここはロッククライミングの練習場になっている。
21 この辺りは第一次大戦の戦場になったところで、あちこちに塹壕跡などが残っている。 22 ファルツァレーゴ峠からラガツォイを見上げる。 23 上がるとこんなところ。トファーナの西側が見えている。
24 ピッコロ・ラガツォイの頂上。 25 コルチナから見上げるトファーナ山。中央のトファーナ・ディ・メッツォには3段のロープウエイで上がる。 26 上がると眼下に軍艦のような岩山が見える。
27 ファローリア山からコルチナの町とトファーナ山を望む。 28 ファローリア山のハイキングコースはは展望もよく、道そのものも美しい。岩が砕けた砂は白く雪のようだ。 29 コースの先端にはこんな岩壁もある。
30 復路から見上げる景色も絵になる。 31 帰路はガルディナ峠を通る。 32 サッソ・ルンゴも見納め。

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