2008年8月末からグリンデルワルトに10泊、ツェルマットに7泊して周辺のハイキングコースを歩いた。 |
スイスは鉄道が発達している。早朝チューリッヒ空港に降り立つと、地下から直接インターラーケン行きの電車が出ている。当日受け取りのチッキで荷物をグリンデルワルトに送り、ルツェルンで途中下車した。前後の特急、間の鈍行列車、さらにはインターラーケンからのベルナーオーバーラント鉄道、すべて自由席に座ることができた。帰りは話の種にと急遽、氷河特急に乗りサンモリッツに行くことにした。こちらは人気のコースで全席座席指定であったが、前日に予約することができた。スイスフレキシーパスという外国人用の割引制度があり、3万円弱で指定の5日間鉄道に乗り放題である。また、指定日外でも多くの登山電車やロープウエイが半額割引になる。 |
山には登山電車やロープウエイなどが縦横に通じており、難なく高みに立てる。山歩きももっぱら下りである。中でもベルナーオーバーラントのユングフラウ鉄道はすばらしい。アイガー、メンヒをトンネルで貫き、ユングフラウヨッホに至るこの鉄道の全線開通が1912年だというのは驚きである。因みにユングフラウヨッホ3454mはヨーロッパで最も高い鉄道駅である。 |
ヴァリス地方はベルナーオーバーラントに比べ緑が少ない。標高が高いせいであろう、赤茶けた土がむき出しになっているところが多い。グリンデルワルトの標高が1034mに対し、ツェルマットは1608mである。代わりに周囲の山と氷河が美しい。登山電車でゴルナーグラート展望台に上がると、マッターホルンはもとより、ブライトホルン、モンテローサ、ヴァイスホルンなどの4000mを超える山々が周りを取り囲む。 |
ツェルマットではシャレーに滞在した。日本語では別荘と訳すようだが、必ずしも語感から受ける一軒家ではない。山小屋風の大きな建物の中には数多くの部屋があり、客はその1室を1週間単位で借りる。所有者も部屋単位で異なるようである。鍵の受け渡しや支払いもその所有者との私的なやり取りで行う。 |
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00 ルツェルンで鈍行に乗り換えてアルプナハシュタットに行き、世界一急勾配の登山電車でピラトゥス2073mへ上がる。 |
01 インターラーケンでベルナオーバーラント鉄道に乗り換え、グリンデルワルトに近づくと車窓に突然アイガーが現れる。感動的な出会いだったが、突然のことに写真を撮りそこなった。これは朝のアイガー3970m。 |
02 ロープウエイでフィルスト2167mまで上がり、バッハアルプ湖2265mまでハイキングする。 |
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03 対岸のシュレックホルン4078mが美しい。 |
04 ヴェッターホルン3701mも間近に迫る。 |
05 乗車時間30分とヨーロッパで一番長いロープウエイでメンリッヘン2339mに上がる。ここからラウターブルネン谷を見下ろす。 |
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06 眺望のよさで人気のハイキングコースをクライネシャイデック2061mへ下る。ここはヴェッターホルンを眺める休憩所。 |
07 アイガー(左)とメンヒ4107m。 |
08 クライネシャイデックに到着しユングフラウ4158mを見上げる。 |
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09 ラウターブルネンまで電車で行き、ラウターブルネン谷を歩く。駅からすぐのシュタウプバッハの滝。落差は300m。少し登ると滝の裏側に入ることが出来る。 |
10 途中、洞窟の中を流れるトリュンメルバッハの滝に寄り、谷の最奥部シュテッヘルベルクまで歩く。谷底は一面の緑で、崖の茶色との対比が美しい。正面にブライトホルン3782mが見える。 |
11 フィングシュテックまでロープウエイで上がり、ベーレックまで登る。付近から見るグリンデルワルト下氷河とフィッシャーホルン4049m。 |
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12 スイスパスを有効にしブリエンツ湖へ行く。遊覧船も無料。スイスの湖も氷河湖だが、カナダやニュージーランドの湖ほど水の色は美しくない。白濁したように見えるのは浮遊する粒子が多すぎるためか。 |
13 シルトホルン2970m。ここへはまずラウターブルネンまで鉄道で行き、ロープウエイでグリュッチアルプに上がる。鉄道に乗り換えミューレンまで行き、更に2段のロープウエイを乗り継いで上がる。パスで運賃は全て半額。 |
14 ロープウエイの中間駅ビルクまで戻ってミューレンに向かって歩く。 |
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15 アイガー、メンヒ、ユングフラウの三山が美しい。 |
16 クライネシャイデックからユングフラウ鉄道に1駅だけ乗り、アイガーグレッチャー駅で降りる。ここからアイガー北壁直下のアイガートレイルを歩く。 |
17 アイガー北壁を見上げる。グランドジョラス北壁、マッターホルン北壁とともにアルプス三大北壁に数えられる高さ1800mの岩壁である。 |
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18 終着のアルピグレン近くから見下ろすグリンデルワルト。遠く右手はヴェッターホルン、左はシュヴァルツホルン2928m。 |
19 三度クライネシャイデックに上がり、ヴェンゲンアルプ鉄道沿いをヴェンゲンまで歩く。 |
20 バスでグローセシャイデック1961mに行き、フィルストへ歩く。ここからのアイガーはナイフの刃のよう。クライネシャイデックから見るアイガーとのあまりの違いに、山容を掴みかねる。 |
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21 鉄道を3度乗り換えツェルマットに移動する。フィスプからは山岳鉄道の趣。ツェルマットの町から見るマッターホルン4478mは評判どおり美しい。 |
22 登山電車でゴルナーグラート3089mへ上がる。ここからの展望はすばらしい。マッターホルンの形もよい。 |
23 ブライトホルン4164m。正面は荒々しい岩壁だが裏側はなだらかで夏もスキーができる。右奥の三角の突起が後に行くクラインマッターホルン3883m。 |
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24 リスカム4527mとグレンツ氷河。 |
25 スイスの最高峰、モンテローサ4609m。 |
26 鶏冠のような面白い形のリムフィッシュホルン4199m。 |
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27 手前から上ロートホルン3415m、テッシュホルン4491m、ドーム4545m。ドームの高さはモンブラン、モンテローサに次いでアルプス第3位。 |
28 ヴァイスホルン4505m。 |
29 ゴルナーグラートからリッフェルアルプに向かって定番のハイキングコースを下る。雲が真一文字に架かる。 |
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30 ずっとマッターホルンを見て下る。登山電車が登って来た。 |
31 有名なリッフェル湖の逆さマッターホルン。 |
32 クラインマッターホルン3883mはアルプスで一番高い展望台。富士山頂よりも高い。フーリ、トロッケナーシュテークでロープウエイを乗り継ぐ。ここからのマッターホルンは太って別人?に見える。 |
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33 地下ケーブルカーでスネガ2288mに上がり、ロープウエイを乗り継いで下ロートホルン3100mに至る。少し歩きこれから行くフルーアルプヒュッテを見下ろす。左奥はフィンデル氷河。 |
34 ロープウエイを乗り継ぎシュヴァルツ湖2552mの上に出る。今日のマッターホルンは雲で頂上が見えない。 |
35 ズームで寄ると壁のように立ちはだかる。ここから北西のシュタッフェルに向かう。折り返して中間駅のフーリまで戻り、さらにツェルマットへと下る。 |